活躍する男性看護師に必要なスキル

男性看護師が活躍する分野はかつて、力仕事が必要な精神科や救急救命センターなどの診療科で頼りにされていた。その後、整形外科や集中治療室など幅広い分野で、男性看護師の活躍の場が広がりを見せている。精神的に錯乱した患者が暴れた際に身体を抑えたり、重篤な症状で自力では動けない患者の身体を支えたりする場面では、相変わらず男性看護師の力に頼ることは少なくないだろう。しかし、男性看護師が力量を発揮するのは、力仕事が必要な場面だけではない。

女性が多い医療現場において、男性看護師が人間関係の緩衝材として役に立つこともある。男性看護師には、女性の多い職場で上手く人間関係を繋ぐコミュニケーションスキルが欠かせない。

男性看護師に求められるコミュニケーションスキルは、同僚の女性看護師だけでなく、患者に対しても発揮されなければならない。男性看護師は、同性看護の観点から、男性患者の看護ケアにおいて重要な役割を果たすが、女性や児童の患者に対しても、円滑なコミュニケーションを図れる能力が求められる。

また、男性看護師の地位を向上させるため、スキルアップも欠かせない。認定看護師や専門看護師などの上級資格を取得すれば、医療現場で他の看護師を指導するリーダー的な立場に立てる。特定行為研修を受けて、医師の具体的指示がなくても看護師独自の判断で医療行為ができるようになることも重要だ。こうした資格を取ってスキルアップしたうえで、看護主任や看護師長など現場のまとめ役となる役職に就くことも大切だといえるだろう。